住まいを紫外線や暴風雨や雪・寒さ厚さなどさまざまな日本の環境から守るため、住宅には外壁があります。
むかしから、外壁の素材とした使われてきたのは、わらや土などを練た土壁が大半でしたが、最近の技術の進歩からさまざまな外壁材が登場しました。
今回は外壁材の種類と特徴を紹介します。
目次
外壁材の仕上げ構法
外壁に使われている塗料や外壁材にはさまざまな種類や特徴があります。
吹付け仕上げ塗装材
吹付け仕上げ塗装材は、昭和30年代当時の住宅公団の外壁仕上げに採用され、現在まで外装材として採用されてきました。耐久性・対候性・防汚性にすぐれ、現在も広く活用されています。
外壁リフォームや塗り替えを行う際にもっとも重要なのは、使用する塗料のグレードです。
グレードの低い順に「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」そして、「光触媒塗料」という高価ですが、クリーニング機能があり耐用年数が20年以上のものまであります。
塗料の耐候性
耐候性というのは、塗料で最も重要な要素の一つで、JIS規格(日本工業規格)で決められています。これは、促進試験機(ウェザーメーター)の照射時間によって3種→2種→1種と等級が決められています。アクリル樹脂塗料が一番低く、低価格で数年ほどで塗り替えが必要になってくる。耐久性からみると、高価だが耐候性1種の「シリコン」「フッ素」「光触媒」での塗料を使うことをお勧めしたい。
塗料の耐久年数 | 耐候性 |
|
アクリル樹脂塗料(6~8年) | 3種 | 照射時間500時間で割れや剥がれがなく、光沢保持率が80%。 |
ウレタン塗料(10~12年) | 2種 | 照射時間1000時間で割れや剥がれがなく、光沢保持率が80%。 |
シリコン塗料(12~15年) | 1種 | 照射時間2000時間で割れや剥がれがなく、光沢保持率が80%。 |
フッ素塗料(15~18年 | ||
光触媒塗料(20年~) |
モルタル
砂とセメントを混ぜ、水で練ったものをモルタルといいます。モルタルは、大変使い勝手が良く「仕上げ用」「下地用」「張り付け用」「保護用」など用途が広い左官材になります。住宅の塗り壁といえば「モルタル壁」といわれるほど、圧倒的に採用されていました。
モルタルのような左官材は硬化するまで引っかかりのある下地が必要なため、その役割を果たすラス網(メタルラス)という鋼鉄の網を張ります。その上にモルタルを塗りつけます。また、ラス網の下には、防水紙を全面に張ります。これは、モルタルから染み出した雨水を防ぐためです。
サイディング
サイディングとは、パネル化された外壁材のことをいいます。サイディングには、セメント質と繊維質原料を板状にした窯業系サイディングと、金属製なものや木製のものがある。サイディングは耐火性も強く、工期も短期間、コスト面も抑えられるため現在新築されている木造住宅の外壁材の多くはサイディングが使われている。
窯業系(ようぎょうけい)サイディング
セメントを主原料にして板状に高圧成形して、養生・硬化させてものです。耐久性や防火性能が高い。レンガタイル風や割れ石風のような、まるで本物のような質感があり、最近の住宅に多く使用されています。
①木繊維補強セメント系サイディング
木繊維や木片などをセメントなどの主原料に加えて強化したもの。
②繊維補強セメント系サイディング
無機質・有機質繊維などをセメントなどの主原料に加えて強化したもの。
③繊維補強セメント・カルシウム板系サイディング
無機質・有機質繊維などをセメント・ケイ酸カルシウムなどの主原料に加えて強化したもの。
金属系サイディング
鉄やアルミ・ステンレス・銅・ガルバリウム鋼板などの金属から作られています。焼成・塗装され、鋼板にアルミや亜鉛・シリコンなどからなるメッキを施されている「ガルバニウム鋼板」などがあります。軽量で錆びにくく耐久性のすぐれた特徴があります。
また、裏側には断熱材や遮音材が詰められているため、断熱性・遮音性に優れています。また、窯業系サイディングのように、水分を含むようなことがないので、膨張したり劣化したりする心配はありません。
木質系サイディング
ヒノキやスギ、ヒバなどを使用した外壁材です。木材は耐震性や断熱性が優れていますが、防火性の問題から、近年は使用する機会も減っています。最近では壁全体というより、腰板に使用されることが多いです。
ガルバリウム鋼板
鉄板の表面にアルミと亜鉛で溶融メッキ加工をしたもので、耐久性があり錆びにくい特徴があります。屋根の平葺きと同じような収める。合板などで下地を作り、防水シートを張り、ガルバリウム鋼板を横向きに平葺きにします。
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